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oteshio文庫とは
きもの、手しごと、食する旅する、インテリア、ライフスタイルなどなど、 多岐にわたるジャンルの随筆や雑誌、小説をご紹介します。
ご紹介した本はoteshioでも購入できます(中古品です)。

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◇ ブックセレクト
 おおいし れいこ
 (編集・ライター)

女性誌を中心とした出版物を手がけながら、日々本にまみれて活動。
今回のセレクトにあたっては、古いもの新しいもの入り交じっていますが、「これ読んでみて」と親しい方たちに本心からおすすめしたいものだけを本棚から選び抜きました。
それと僭越ですが、わたしくが関わった雑誌・書籍を少々展示してご紹介できればと思っています。
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oteshio文庫2012 如月のオススメ 02/22 (Wed)

2011年の哀しい春から間もなく1年。その日
を迎える前に、モヤモヤとした心を本の中のこ
とばから少しずつ整理へと導けたら、と思った
のです。あの日に真っ正面から向き合って読む
込むドキュメントや知の対談集。視点を離しつ
つ、思考の組み立てを鍛えてくれそうな物語な
どをセレクトしてみました。


『三陸海岸大津波』 吉村昭


 明治29年、昭和8年、昭和35年と、三陸海
岸は繰り返し大津波に襲われた、事実。311が
“想定外の天災”とは思えなくなる歴史に驚愕!
「もっと早く読むべきだった」と痛感する一冊。
 大津波がどのようにやってきたか、体験者の
生々しい証言。孤児となった子、親兄弟を探す
子……。昭和の大津波で生き残った子どもたち
の作文。記録文学者として吉村先生の甘さを排
除した文章に、哀しみや痛みが倍加するはず。


『今こそエネルギーシフト』 飯田哲也+鎌仲ひとみ
『正義で地球は救えない』 池田清彦+養老孟司


 311以降、私個人の変化といえば意識的に友
人との間で「原発」を話題にするようになった
こと。知らん顔を決め込むなんて、もうできな
いなと感じています。語ることばの持ち合わせ
が少ないので、関連書物や映画を見ることで勉
強。なかでも311以降各地で上映され続けてい
る、原発問題のドキュメンタリー『ミツバチの
羽音と地球の回転』はみなさんにおすすめした
い作品。この映画の監督、鎌仲ひとみ氏と、自
然エネルギー政策の第一人者の飯田氏の対談集
『今こそエネルギーシフト』は、50ページほど
の薄い本ですが、中身はすこぶる濃厚でした。
電力会社や政府、メーカー、原子力推進派の学
者などによる「原子力ムラ」の仕組み。自然エ
ネルギーの政策など、平易なことば、生活者の
視点でわかりやすく語られています。
 もう一冊、賢者2人による対談集。「がんば
らない生き方」といった著書を持つ生物学者・
池田先生と、おなじみの養老先生の丁々発止の
対話で、理系に弱い私もすらすら快読。環境問
題は経済問題であり政治問題であるという、複
眼的な思考のトレーニングになる内容です。本
書のあとがきに紹介された、ダライ・ラマ十四
世の言葉は、311以後を思うと胸にひびきます。

『家は大きくなったが、家族は減った。
 どんどん便利になったが、余暇は減った。
 知識は増えたが、判断ができなくなった。
 薬は増えたが、健康だと思う人は減った。
              ……………』


『金子みすゞ 童謡集』

<こだまでしょうか>は、震災後くりかえし
耳にした、みすずの詩。この本には、他に
も、心をうるおす言葉があふれています。
<見えぬけれどあるんだよ、見えぬもので
もあるんだよ>(「星とたんぽぽ」)。
自然や宇宙の成り立ちを、やさしい詩の言
葉に託したみすず。もう一度、目に見えぬ
「やさしさ」や「心」を見つめ直すために。



『ダライ・ラマ自伝』 ダライ・ラマ
『東方の智恵』 スコット・リン・ライリー
『写真集 ガンジー生々』 安藤亨


物質的、経済的な西洋の価値観が、フクシマ
の不幸につながった感は否めません。そうい
うわけで、いまいちどアジアの智恵と世界観
に注目した、3冊です。


『風水先生 地相占術の脅威』 荒俣宏

地震以後、移住者の数も増えています。で
は日本のどの土地に住んでいたら、いいの
だろう?よい地相の土地は?博覧強記の荒
俣氏が、この本書では風水先生となって案
内してくれます。都市計画と風水。札幌は
京都を逆にしてつくられた、碁盤目の土地
で、風水的に時計台がパワースポットであ
るとか。はたまた、北海道には2頭の龍が
走っているだとか。住んでる都市、知って
いる都市、住んでみたい都市の地相が興味
深く読める書です。



『モダンタイムス』上・下 伊坂幸太郎


あいかわらず、人を喰ったような伊坂ワー
ルドは健在。さらに本書は、「国家のシス
テム」「監視社会」といったものに向き合
った意欲作であると思います。東北救済の
国家支援の遅れ、フクシマの人たちが犠牲
になるシステム……。深読みしても興味深
いです。同意できるできるできないは別と
して、旬の作家のメッセージを真摯に耳を
傾けるのも悪くないはずですよ。


『心理検死官 ジョー・ベケット』
『心理検死官 ジョー・ベケット2 メモリー・コレクター』
             メグ・ガーデナー


ジェットコースターのストーリー展開で、
一気読み。エドガー賞受賞作家のサスペン
スシリーズです。死者の精神分析をすると
いうヒロインをはじめ、登場人物のキャラ
クターがとても魅力的。ヒロインのジョー
の母方が日本人であったり、地震のトラウ
マがあったり。作品の本筋の面白さにくわ
え、ちょっとした脇道のエピソードにも共
感できました。
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